前回Hybrid ERでの外傷診療はとても早く治療が行えると紹介しました。今回はHybrid ERがどれくらい早く治療が行えて、どんな影響があるかについて紹介していきたいと思います。
Hybrid ERで治療が、具体的にどれくらい早くCT検査が行えるのか、死亡率にはどんな影響を及ぼしているのかについて当救命センターの木下喬弘先生が論文を執筆されました。少しだけ内容の説明を…。
Hybrid ER導入前後の8年間で受けた重傷外傷症例について検討されています。結果として、Hybrid ER導入後で受けた重症外傷症例では28日後死亡率が減少し、出血にともなう死亡に関して著しい死亡率の低下を認めています。
さらに、Hybrid ER導入後では、来院時からCT検査を行うまでの時間や緊急手術を受けるまでの時間が短縮されているとの結果が出ています。
といった内容で、実際にHybrid ERでの外傷治療をおこなってみて、早く検査・処置ができると感じていたことを、実際に数値としてみるとHybrid ERのメリットの多さを感じる内容でした。
こちらの論文はAnnals of Surgeryに一般公開されていますので、気になる方は以下のタイトルで調べてぜひ読んでみてください。原著論文すべて読むことができます。
The Survival Benefit of a Novel Trauma Workflow that Includes Immediate Whole-body Computed Tomography, Surgery, and Interventional Radiology, All in One Trauma Resuscitation Room: A Retrospective Historical Control Study
そんな素晴らしい論文が発表され、大々的にプレスリリースをするとテレビ、新聞と取り上げてくれました。各社新聞やM3.comの記事だけでなく、海外メディアも取り上げていて世界からも注目の的になっているようです。
北大病院にも導入されないかなぁ…と淡い期待を抱きながら日々邁進中です。