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[Boston第7回]ラボでの取り組み

和田先生の留学体験記ですが、今回やっと学問的な話が出てきました。長期休暇ではなく、やっぱり留学だったようです。

CyTOF

CyTOF

CyTOF測定イメージ

CyTOF測定イメージ

Jimラボの最大の特色は2012年に新たな免疫学的評価ツールとして発売開始されたCyTOF(Cytometry by Time-Of-Flight mass spectometry)を駆使した研究です。従来の蛍光抗体を用いたフローサイトメトリーとは異なり、CyTOFでは重金属でラベルされた抗体を用いることで、少量の検体で理論上100以上のパラメーターの同時測定が可能であり一度の測定で莫大な情報量を得ることができます。
CyTOFで用いる抗体は重金属を標識した特殊なものであるため、市販流通品は高額で、かつレパートリーも限られています。Lederer研究室ではこれまでの長年の経験を生かし、研究室内で独自に重金属標識を行い、安価で質の高いCyTOF抗体を全米の共同研究をしている研究室に提供しています。1台定価96,000,000円という非常に高額なCyTOFはHarvard Medical Schoolの中央部門で管理されており、数十を超える研究室で共同使用されています。
JimはこのCyTOF Core Facilityの中心的役割を担い、新規にCyTOFを導入しようとする研究室に対するサポートも行っています。私はそのCyTOFを用いて、主に熱傷、感染における肺や肝臓での免疫細胞の変化、特にγδT cellに焦点を当てた研究を始めたところです。今後は治療的介入に関する研究、マクロファージに焦点をあてた研究、頭部外傷時の免疫系の変化などの研究に進んでいく予定です。生体侵襲と生体反応は私の最も興味のあるところですが、免疫系の関与については正直あまり知識を持ち合わせていませんでした。知的好奇心をくすぐられる毎日で本当に充実した日々を送っております。

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