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最新のレポート記事 - [沖縄第9回]沈船Emmons編

沈船Emmonsダイビング

最近日々の出来事に紹介するネタがないため、北海道に戻ってきましたが沖縄の思い出や北海道との比較をこちらに不定期に紹介しようと思います。

沖縄へ行くことにした理由としてダイビングをしたいという(不純な?)動機がありました。沈船を見たいという夢があったため、当直明けなど自由な時間を利用してアドバンスの免許をとりました(より深いところを案内してもらえるようになります)。沖縄にいると、空いた日で講習に通えば良いので楽にとれました。
沖縄本島付近での沈船のダイビングスポットはUSS Emmons(USS: United States Ship)が有名です。Emmonsは第二次世界大戦の沖縄戦で展開されていた駆逐艦で、神風特攻隊の攻撃により大破し日本軍に渡ることを避けるため、乗組員の救助後に米軍自らの手によって沈められたとされています。水深約40mに沈んでおり、全長106mの巨体は破壊されつつも、現在もその美しさを保っています。
Emmonsがある場所は、周囲近くに島の無い外洋の深いところにあり、海洋状況が穏やかでないことも多く、さらに流れも速いためほとんどのダイビングショップは上級者しか案内していません。何とかならないものかといろんなダイビングショップをあたり続け、ようやく初級者でも連れていってくれるショップをやっと見つけました。当日は曇りであまり良い海洋状況ではなかったようで、船酔いはしない方だと思っていましたが少し怪しいと感じながらも、「酔った」と思ったら次は吐き気が来るはずなので「酔っていない」とポイントに着くまで自分に言い聞かせました。船からエントリーし、波にもみくちゃにされつつ何とか案内ロープまでの移動、経験が必要な理由がよくわかりました。
ロープを伝っての潜行でしたが、この日の透明度はそれほど良くはなく下を見ても何も見えない。一直線に潜りながら薄暗くもなっていき「まだなのか」と不安になっていたところに急にその全長が見え始めた瞬間は言葉にならないくらい衝撃的でした。巨大なスクリュー、発射前の並んだ魚雷、天を仰ぐ砲台、穴の開いた船体などほぼ当時のまま残っており、胸にこみ上げてくるものがありました。船体の中央には犠牲となった船員をしのぶ碑もありそっと黙祷をささげました。
Emmonsは、深いところにあり全長も長いため一度にみることができず。艦首~中央と艦尾から中央までに分ける2ダイブになります。浮上したのち港に戻って休憩したのち、再度(自分の中では荒波を)戻りましたがやはり気を抜くと酔ってしまいそうでした。なかなか大変なダイビングではありましたが、「本物は触れてみないとわからない」という某有名人のお言葉通り、想像していた以上に良い経験となりました。

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