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救急診療

初期診療室

初期診療室の写真

救急科は、この北海道大学先進医療センターの救急部初期診療室を経由して、年間約1000症例の重症症例を受け入れている。当施設は、救命救急センターの指定は受けていないものの、札幌市の3次医療機関として機能しており、札幌市内はもとより道内各地から様々な重症患者が搬入される。救急現場からの直接搬送はもちろんのこと、各病院からの重症患者の依頼搬送にも対応する。

搬入患者の背景疾患は多岐にわたる。交通事故により受傷した多発外傷患者、マラソン中の突然の心停止、火災現場からの広範囲熱傷、自宅で卒倒した重症脳血管障害、重症化した敗血症など重症救急疾患であれば、内因/外因を問わず、年齢に関しての制限もない。高齢者はもちろんのこと、小児から乳児まで幅広い年齢層が搬入される。

この初期診療室では、一般的な蘇生/診断はもちろんのこと、緊急の尖頭術、開胸/開腹術、PCPS(経皮的心肺補助装置)の導入なども行われる。患者の意識、呼吸、循環などの全身状態を速やかに判断し、重症化の原因を探る。患者の状態によっては、確定診断を得る前に救命的な処置を要することもある。この初期診療室は、秒単位、分単位で刻々と移り行く患者の状態を見ながら、診断と治療のストラテジーが組み立てられ、実行に移される戦場である。

年間搬入件数グラフ搬入時病態(2012年)グラフ

ドクターカー

ドクターカーの写真

病院到着まで待てない重症患者に対し、一秒でも早く治療を開始するため、札幌市消防局と制度提携を結び、ドクターカーによる医師の現場搬送を行っている。
2013年4月現在、札幌市内でドクターカー運用を行っている病院は市立札幌病院救命救急センターと当施設だけであり、2012年度には当センターが177件の出動に対応してきた。出動件数は年々右肩上がり増えてきている。
ドクターカーが当センターの医師をピックアップ後、そのまま救急現場に到着することもあるが、多くは途中まで現場の救急車が患者を搬送してきて、医師がそれにドッキングして乗り移り、再び病院に戻る間に診断や初療に臨む。

救急医は、現場に向かうまでの間、救急隊員から患者の容態の情報などを聞きながら、治療の準備に勤しむ。しかし、車内は決して穏やかではない。ドクターカーは一刻一秒を争うために、現場に向かう間、急発進と急停止、右に左にハンドルが切られるため、体は大きく揺さぶり続けられる。患者に接触後も、院外という限られた資機材しかない環境で、病院への搬送という診断/治療とは別のファクターも考慮しつつ重症患者に対応する。まさしく、救急医の腕の見せ所である。

ドクターヘリ

ドクターヘリの写真

ドクターヘリを経由して、重症患者が搬入されることも多い。病院のヘリポートは、敷地を整備したのみの原始的な簡易へリポートであるが、ヘリポートから初期診療室までの距離は札幌市内の三次救急医療施設で最短である。冬期間も使用できるヘリポートである。
ドクターヘリの運行は手稲渓仁会病院が行っているが、正式運行開始以前から、当科のスタッフもヘリドクターとして定期的に搭乗し活躍している。

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