ESICMレポート2016.11.2
今回は、10月にイタリアのミラノで開催されたESICM(ヨーロッパICU学会)の模様を小野先生がレポートしてくれます。
10月1日〜5日までイタリアのミラノで開催されたESICM annual congressに参加してきました。はじめの2日はイタリアの世界史の勉学に勤しみました。比較的行動パターンが同じだった後輩のK医師とともに勉強してきました。ミラノといえばやはり写真のDuomoでしょうか。この周辺にはハトの強制餌やりおじさんが出没し金を巻き上げる様ですが、そちらは予習済みで捕まることはありませんでした(M医師、S医師は金を巻き上げられたことが後に発覚)。しかし、ミサンガ強制巻き付け兄ちゃんも出没しており、後輩のK医師がミサンガを肩に投げつけられ「盗むんじゃねえ」みたいないちゃもんをつけられていたのを救出したところ、そのミサンガを強制的に私の手にまきつけられ金を巻き上げられました(泣)。ミラノおそるべし。

その日はイタロと呼ばれるイタリアの新幹線でピサ、フィレンチェへと勉強へ行きました。ピサの斜塔は思ったよりも傾いていてちょっとびっくり、なんと有名な斜塔だけでなく他の周りの建物も傾いていました。フィレンチェではダビデ像の大きさに驚愕。めったに見られないであろう後ろ姿の写真を掲載します。



帰りに郷土料理のピステッカという馬鹿でかいステーキを頂きました。美味しいですが、後半はさすがに飽きてきます。しかしそこはバスサミコ酢のパワーで全く別の味になり見事に二人で完食しました。当然満腹、帰りの新幹線は死亡です。

私が個人的に、一番疑問だったのが路駐です。路駐なのか自分の駐車場なのかよくわからんのですがとにかく車道の隅にどこでも車が並べられてます。写真の様にどーやってここから出発するんだろ?と疑問を抱かせる停め方ばかりでした。きっとぶつけるのが当たり前なんでしょうね。

さて本題です。ESICMに参加してきましたが、印象深かったのはvolume評価をどうするかというセッションが多かったことです。様々なモニターが開発されている中で、いわゆる僕らが日常的にやっている「試しに輸液入れて反応をみてみようか?」というのがあまり良くないよねという流れになっている印象を受けました。volumeを入れる前には、しっかり有用かどうかを評価しようと。とにかく過剰輸液だけは避けようという流れなんでしょう。また多少のhypovolemiaであっても許容し循環作動薬で血行動態を落ち着かせる方がよいみたいなこともレクチャーしていましたが、個人的にはあまりagreeできないなと。
最終日は自分の発表でした。質問されましたが何かよくわからず、おそらくこういうこと聞いているのかなー?程度の認識しかできず。そのデータは持ち合わせておらず「I have no data about that」と返答、理由を述べようとしたところで質問者は客席へ帰って行きました。理由なんて興味なかった様です、日本人ならきっと興味なくても最後まで聞くでしょうね。

発表後は私だけ飛行機の便が早く、直後に独りでバス停に猛ダッシュしましたが途中でスーツケースの車輪が破壊するというアクシデントが発生。22kgのスーツケースを持って走るはめになりましたが、なんとか日本へ帰国できました。