北海道大学病院 救命救急センター | 北海道大学大学院医学研究院 侵襲制御医学分野 救急医学教室

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日々の出来事

ISICEM2016レポート(その3)2016.11.29

さて、ISICEM2016参加記も最終回です。

(3月18日学会4日目)
学会最終日は午前中だけ参加して、午後からレンタカーで遠出しました。行き先はチョコレートの街ブルージュです。ブリュッセルから車で1時間の距離にあります。
ブルージュは中世の街並みがそのまま残されている旧市街地区が世界遺産に登録されており、屋根のない美術館と言われています。そして、徒歩15分で一周できる小さな旧市街に50ものショコラティエがひしめき合うチョコレートの街として有名です。チョコ好きにはたまらないですね。
その中にあって独創的なチョコで有名なChocolate Lineに行ってみました。教室のお土産に購入したのは薬瓶に入っているかのような怪しい見た目のチョコです。これを20個スーツケースに詰めて持って帰ってきたのですが、もし途中で鞄を開けられることがあったら薬の密輸だと誤解されたかもしれません。

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(3月19日帰国)
夕方のフライトまで更に寄り道してみました。目的地はフランスのランスです。ブルージュから車で80分の距離です。ニュースではテロの影響によりフランス国境で検問をしていると言っていたのでドキドキしながら運転していたのですが、検問も何もなくあっさりフランスに入国できました。このセキュリティならばパリ同時多発テロの実行犯がベルギーから自由に移動できたことも頷けます。
ランスにはルーブル美術館の別館、ルーブル・ランス美術館があります。ここは日本人の建築ユニットSANAAがデザインしたことで有名で、2012年にオープンした新しい美術館です。

ISICEM2016

特徴的なのは展示方法で、体育館のように広いスペースの壁の手前から奥へ年代を示すスケールが記されており、それに合わせて年代ごとに作品が並べられています。歴史が苦手な私でも時代背景を理解しやすい展示方法でした。

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昼食を美術館の敷地内にある一つ星レストランで頂きました。こちらもSANAAによるデザインで美術館と同様に光の取り入れ方が上手な空間でした。料理も大変素晴らしく、旅行最後の食事を美味しく頂くことができました。

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19日夜のフライトで帰国の途につきましたが、22日朝にブリュッセル空港で爆破テロが発生しました。15日の銃撃戦も会場に近い地区でしたし、なかなかスリリングな学会旅行となりました。無事に帰国できて良かったです。
最後まで読んで頂いた方の中には「前川なのにベルギービールの記述が少ない」とお思いの方もいらっしゃるでしょう。もちろん毎日ビールを飲んでいたのですが、最近は札幌でもベルギービールのお店が複数あり、現地と同じレベルのビールを飲むことができます。以前ほど現地のビールに感激することはなくなりました。しかし、チョコレートは別格です。現地でなければ購入できないものが多くあり、チョコ好きにはやはり魅力的な土地だと思います。
ISICEMは救急集中治療領域の他の国際学会に比べて臨床的なテーマを扱うsessionが多く、日々の診療に役立つ情報を入手できる他にない学会です。機会があれば(テロ警戒レベルが下がったら)私もまた参加したいですし、若い先生にはぜひ参加してみてほしいと思います。

ISICEM2016のレポートは以上です。学会参加にあたり留守をカバーして頂いた大学の皆様、ありがとうございました。