海外への患者搬送2017.4.18
札幌も御多分に漏れず、海外からの観光客が増加しています。その中で、稀ではありますが、重症化し3次救急の当センターで入院加療となる患者もいます。
先日も、観光で札幌を訪れていた方が敗血症となり重症化して、当センターで入院加療となりました。同伴のご家族は、日本語はもちろん話せませんし、英語が何とかという感じです。治療も難渋しましたが、何より大変だったのは、海外の保険会社から毎日かかってくるTELの対応です。状態は如何だ、費用はどれぐらいなのか?と、確認の嵐です。もちろん、英語。まあ、日本人であれば健康保険の適応があるので大丈夫ですが、海外からの旅行者となると、基本的に自費です。当センターのICUに入って、濃厚な治療を受けるとなると、毎日、何十万円の単位で医療費が飛んでいくわけです。
そんな、こんなで、ある程度落ち着いて帰国の目途が立ちました。でも、その際もバタバタです。意識障害が遷延していたため、気管切開下に人工呼吸器管理中です。そろそろ、帰れそうという判断でしたが、まだ、具体的な話は何もしていない状況で、ある日の朝、突然、「迎えの飛行機を向けたので空港まで連れてきてほしい。」と連絡が入りました。しかも、指定の時間まで、3時間程度しかありません。さらには、先方は、迎えの飛行機が向かった空港が、千歳空港なのか否かもわからないと言う有様です。何を考えているのか、全く理化できませんでした。。。。
でも、仕方ありません。千歳空港以外なら、完全に対応不能です。千歳空港であろうと仮定して、準備を始めました。北大から千歳空港まで1時間弱はかかります。車の手配や人工呼吸器、酸素、急変時の薬剤、空港内への車両の進入の調整など整えて出発です。写真の通り、何とか、引き渡して一安心という結末でした。
みなさま、海外旅行先での急病/怪我にはくれぐれも注意してください。