WFSICCMに行ってきました 板垣先生2017.12.12
今回も7日間の時間をいただきました。関係各所の皆様、その間の仕事、有り難うございました。
(ある朝)
11月8日朝5時半に起きて5時50分には車で新千歳空港に向かいました。そして、7時40分発の成田空港行きの便に乗り込みました。成田空港からはヒューストン行きの便に乗り、11時間かけてヒューストンに到着。さらに11時間の乗継ぎ時間を経て、11時間の運行時間を経て、ついにそこにたどり着きました。
そう、日本の裏側にあるというブラジルは、リオ・デジャネイロです。
きっかけは7月。すでにESICMに行くことが決まっていましたが、それだけでは飽き足らずもう1回発表をしてみたいという、非常に殊勝な(邪な)!!!考えを持っていたために前川先生にネタがないかどうかお伺いしたのがきっかけです。
あまりに殊勝な心持ちをしていたのか、神様が私にご褒美(罰)を与えてくれました。7分間のoral presentationです。発表のネタがBrain deathに関するものだったのであまり興味を持たれないと思っていたのですが、意外とWFSICCMではBrain deathに関するフォーラムもあり、神経集中治療やEnd-of-lifeに関する話題がブラジルにおいても共通言語として話題となっているようでした。
今回は、論文になっていない、かつ当院でしか知りえないような研究の発表ということで、とても前回のe-poster発表の経験がなければ間違いなく逃げ出していたと思われます。
(発表当日)
朝10時からのセッションに顔を出すと、発表言語はポルトガル語。演者も座長もポルトガル語。みーーんなポルトガル語。ようやく気づきました。WFSICCMなんてのはただの”おまけ”であって、本題はAMIB主催のブラジルの集中治療学会に他ならないのです。
ただ、南米から発表者が集まっていたせいか、スペイン語の発表者もいました。彼は「スペイン語と英語どっちがいい??」なーんていうようなことを会場のみんなに呼びかけて、そうすると会場の人たちもぼそぼそ「エスパニョール エスパニョール」なんて口にするものですから、スペイン語で行われていました。
結局私の発表までは英語で行われることがなし。もう、どうでもよくなってきました。
というわけで出番が来て壇上に上がった際は最初に謝ることにしました。
「オラ!グッモーニング、Chairmanと紳士淑女の皆さん。地球の反対から来たよ。日本語とちょっとだけ英語話せるよ。ごめんね。だからポルトガル語は話せないの。英語で発表させてね。」
すると会場の雰囲気が少し和んだような、赦しを与えられたようなそんな気配を感じ、ゆっくりとスライドをめくっていき、いつの間にか終わりました。
質問は2つ。いずれも英語。前向き研究はできないのか?ともう1つは忘れました。しかし、明らかに質問の手は緩められていました、前の発表者は延々5分以上も座長とやりとりしていたのですから。
これが自分の限界であることを知り、かつ容赦されたという事実も認識しました。ただ発表すればいいってもんじゃないよーって、誰かに言われた気がしたものです。前回よりできなかったかというとそうではないです。今回は、前回の学会に比べると、スライドの自由度も高く、むしろよく準備してtryしてきたと自負しています。しかし、それでは満足できなかった。
やはり言葉の壁は厚く、限界を感じたというところです。
何を努力して、何に気つかわないで行きていくかは人それぞれですけれども、ちょっと今回言語に関して悔しい思いをした自分としては、次の何らかのステップを目指さないと面白くないなーと思った次第です。具体的に何をどうするかはまだ考え中ですが。
また、ESICMでの学会で見かけたJean-Louis Teboulを今学会でも見かけました。彼はFluid responsivenessの権威らしくESICMでもPLR-testやら心エコーの活用性を大きくうたっていました。PLR-testは左室流出路のTime-Velocity-Integralを用いて行いなさいだとか、外傷・内因系疾患などきっかけは何れにせよ、ICUで問題となる輸液管理に関するレクチャーです。彼の発表は、フランス語なまりの英語ですが非常に聴き取りやすく鮮やかなテンポで行われています。彼にとっても第2外国語であるはずの英語を使いこなされております。まぁグローバル社会となる前からフランスでは当たり前のことだったんだろうとは思いますが、それがかえって、自分という一人の日本人の能力不足を痛感させられるように思います。今後は彼の動向に注目していこうと思います。
(リオ・デジャネイロ観光)
今回は、何と!澤村准教授と市内観光をしてきました!!!
何の観光プランも練っておらず、治安も非常に悪いということで引きこもろうとしていましたが、拾っていただき有り難うございました。
リオ・デジャネイロは「1月の川」という意味らしく日本の神戸とは姉妹都市だそうです。犯罪率は高くファベーラでは麻薬取引が行われており、取締りをする警察とギャングの対立が今もなおあるということで市内では銃撃戦も繰り広げられることがあるようです。しかし、オリンピックを経た今では、ファベーラの治安を落ち着きを見せたところが多いとされ、実際に景観や人間関係に魅力を感じて居住する邦人も多いようです。今回はファベーラに行く機会はありませんでしたが、仕事を抱えている身でもありますので、安全を第一に考え以下のスポットを回ってまいりました。
Escadaria Selarón
コパ・カバーナ海岸
コルコバードのキリスト像
Pão de Açúcar
といったところです。Pão de Açúcarは007ムーンレイカーの舞台としても有名なロープウェイです。
というわけでブラジル報告終わります。