北海道大学病院 救命救急センター | 北海道大学大学院医学研究院 侵襲制御医学分野 救急医学教室

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北海道大学病院救急科 ホーム > 吉田知由 鎮痛・鎮静の実際 処置別編 気管挿管, 救急医学 41, 1591-6, 2017

業績紹介

吉田知由 鎮痛・鎮静の実際 処置別編 気管挿管, 救急医学 41, 1591-6, 20172018.6.6

photo吉田

【ERでの鎮痛と鎮静 – 非日常へのレジリエントな対応】鎮痛・鎮静の実際 処置別編 気管挿管
吉田知由, 早川峰司
救急医学 41, 1591-6, 2017
医中誌ID:2018033056

論文へのリンク(外部サイト)

https://www.herusu-shuppan.co.jp/qq201711/

著者コメント

救急患者の挿管は手術室での挿管と違い、物(枕がない)も人(介助してくれる人が慣れてない)も状況(full stomach)も全く違います。手術室での挿管に慣れていても病棟での挿管となると急に難易度が上がり、『食道挿管をしてしまった!!』とか、『血圧が下がりすぎて胸骨圧迫した!!』という経験はありませんか?
今回は救急現場での挿管に焦点を当て、その際に使用する薬剤についてまとめました。

要旨

救急患者に対しては、迅速気管挿管(RSI: rapid sequence intubation)で挿管するのがもっとも有用で、成功率も高い(2回以内での成功率は97%)とされています。
使用する鎮静薬は色々ありますが、救急患者で挿管が必要な場面では、鎮静した瞬間に血圧が急降下する場合が多いため、血圧を上げたくない場合(大動脈瘤破裂など)やてんかん重積以外にはケタミンが最適であると考えます。
前述のように救急現場ではRSIで挿管するのが一般的ですが、CVCI(マスク換気も挿管もできない状況)の時には注意が必要です。CVCIである可能性は1/10,000と非常に稀ですが、CVCIである可能性をあらかじめ予想し、対策(ex;自発呼吸下挿管やファイバー挿管など)を練ることが重要です。
以下がCVCIの予想ツールです。