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北海道大学病院救急科 ホーム > 和田剛志 救急医学 2015; 39: 1582-1588

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和田剛志 救急医学 2015; 39: 1582-15882016.5.30

photo和田

【急性期DIC-診断・治療の最前線】心停止後症候群に伴うDICの診断・治療
和田剛志
救急医学 2015; 39: 1582-1588
医中誌ID:2016066095

論文へのリンク(外部サイト)

https://www.herusu-shuppan.co.jp/qq201510/

著者コメント

心停止後症候群(post-cardiac arrest syndrome: PCAS)の患者で、あちこちから出血したり、ひどい臓器障害を発症して救命できない症例をしばしば経験すると思います。2013年に発表した、PCASに合併するDICの凝固線溶反応について検討した報告内容を中心に病態を解説し、典型的な凝固線溶系変化を認めた症例を提示しました。また将来的な治療標的としての可能性も考察しました。
“PCAS”と”DIC”を検索ワードとしてpubmedで検索しても、ヒットする論文は、Wada T, et al: Thromb Res 132:e64-69, 2013のみです。少し古いですがこちらも合わせて読んでいただけると理解が深まるかと思います。PCASに合併するDICを違う視点で捉えた結果もそのうち発表したいと考えています。

論文要旨
  • 心停止後症候群の構成要素の一つであるsystemic ischemia/reperfusion response(全身性虚血/再灌流障害)に伴う徴候の一つとしてdisseminated intravascular coagulation(DIC)を合併する。
  • 凝固と線溶の不均衡による微小循環不全が臓器不全の原因となり予後不良につながっている。特にplasminogen activator inhibitor-1(PAI-1)による線溶遮断がその病態の主因となっている。
  • 心筋梗塞や肺塞栓症が心停止の原因として大半を占めることや、”no-reflow phenomenon”の病態を考えると、心肺停止患者に対する線溶療法の有用性が想起されるが、現在のところその効果に否定的な報告が多く推奨されない。
PCASに合併する凝固線溶異常の動態

SF: soluble fibrin、PPIC: plasmin- alpha2 plasmininhibitor complex、PAI-1: plasminogen activator inhibitor-1、tPAIC: tissure-type plasminogen activator (tPA)-plasminogen activator inhibitor-1 (PAI-1) complex

多臓器不全合併、非合併群間におけるtPAIC値の比較
*p <0.05 非MODS群 vs. MODS群
MODS: multiple organ dysfunction、tPAIC: tissure-type plasminogen activator (tPA)-plasminogen activator inhibitor-1 (PAI-1) complex

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