和田剛志 救急医学 2015; 39: 185-1912015.12.7
【sepsis-最新知見と治療戦略】DICと抗凝固療法
和田剛志
救急医学 2015; 39: 185-191
医中誌ID:2015183151
論文へのリンク(外部サイト)
http://search.jamas.or.jp/index.php
http://www.herusu-shuppan.co.jp/qq201502/
著者コメント
感染性DICの病態と治療について概説しました。DIC病態の本質である「炎症と凝固のクロストーク」を、わかりやすく図に示し(図)、さらにEngelmannらが提唱した、「immunothrombosis」の概念を引用し、「生体反応としてのDIC」という観点からneutorophi extracellular traps (NETs)の役割についても解説を加えました。現在のところ、エビデンスレベルの高いDIC治療薬が存在しませんが、治療によって生体にとって有利な反応まで破壊している可能性があると考えます。「生体反応」と「病的反応」を線で区切ることはできませんが、「どのような患者にDIC治療をすべきか」、という視点での検討が必要だと考えます。
論文要旨
- DICの発症は、生体反応としての微小血栓(immunothrombosis)が全身に播種した病的反応と捉えることができる。それ故DICは治療対象となりうるものである。
- Septic DICの病態をよく理解し、現在の知見に基づいて適切な治療を行う必要がある。炎症、凝固線溶反応の両者に作用するアンチトロンビン、トロンボモジュリンはDIC治療薬として有用性確立が期待される。