小野雄一 救急・集中治療 2015; 27巻臨増: 54-592016.5.23

【ER・ICUでの薬の使い方・考え方 2016-’17 -エキスパートの実践と秘訣に学ぶ-】
緊急病態 播種性血管内凝固症候群(DIC)(Q&A/特集)
小野雄一, 丸藤哲
救急・集中治療 2015; 27巻臨増: e54-e59
医中誌ID:Q108100008
論文へのリンク(外部サイト)
http://www.sogo-igaku.co.jp/eshopdo/refer/vid539.html
著者コメント
DICに対する対症療法が必要か否かは長らく議論されているところですが皆さんの施設では如何でしょうか?当施設では積極的にDIC(特に敗血症性DIC)に対して介入しています。これは敗血症による臓器不全の原因を考えれば自ずと必要性が理解できると思います。まずは敗血症の臓器不全の病態をしっかり把握する必要がありそうです。
論文要旨
- 当たり前だが基礎疾患の治療が大前提である。
- 敗血症性DICに対症療法は必要である。
- 敗血症性DICの病態は線溶抑制型である。
- アンチトロンビン、リコモジュリンの投与については様々な報告があがっており今後推奨度が変わる可能性を秘めている。
病態に対する各種薬剤の推奨度

◯;コンセンサス、UFH;未分画ヘパリン、LMWH;低分子ヘパリン、GM;メシル酸ガベキサート、NM;メシル酸ナファモスタット、AT;アンチトロンビン、rhTM;リコンビナントヒトトロンボモジュリン、FFP;新鮮凍結血漿、PC;濃厚血小板、TTP;血栓性血小板減少性紫斑病、HIT;ヘパリン起因性血小板減少症、出血型;線溶亢進型、臓器障害型;線溶抑制型。DICを病態別に分類すると、大きく無症候型、出血型、臓器障害型、その他の合併症に分けられ、それぞれの病態により適応薬剤が決まってくる。
