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北海道大学病院救急科 ホーム > Katabami K, Case Rep Emerg Med. 2016;2016:9013816.

業績紹介

Katabami K, Case Rep Emerg Med. 2016;2016:9013816.2017.5.29

photo方波見

Severe Methemoglobinemia due to Sodium Nitrite Poisoning.
Katabami K, Hayakawa M, Gando S.
Case Rep Emerg Med. 2016;2016:9013816.
doi: 10.1155/2016/9013816
PMID: 27563472

論文へのリンク(外部サイト)

https://www.hindawi.com/journals/criem/2016/9013816/

著者コメント&論文要旨

亜硝酸ナトリウムによる重症メトヘモグロビン血症のケースレポートです。搬入時、JCS300の意識障害、血圧低下、全身チアノーゼを認め、血液ガス分析にてMet-Hb92.5%でした。すぐに何かの中毒を疑いメチレンブルーを投与し、胃洗浄と挿管、ICUでの全身管理をしました。ICU入室後すぐに意識は回復し、翌日には抜管でき、本人よりソーセージ染色用の亜硝酸ナトリウムを約15g程度服用したとの話が聞けました。
搬入時から中毒を疑い、入院時から6時間置きに血清保存をしておりました。その測定結果を図に示します。亜硝酸ナトリウムの血清濃度は速やかに減少傾向にあり、経過中にMet-Hbの再上昇なども認めませんでした。
中毒はいつどのような形でやってくるかわかりません。常に準備をしておき、常に鑑別として考えておかなければいけないとあらためて感じた症例でした。