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業績紹介

Hayakawa M, Clin Appl Thromb Hemost. 2018 Jan 1:1076029618757346.2018.7.17

photo早川

Optimal Antithrombin Activity Threshold for Initiating Antithrombin Supplementation in Patients With Sepsis-Induced Disseminated Intravascular Coagulation: A Multicenter Retrospective Observational Study.
Hayakawa M, Yamakawa K, Kudo D, Ono K.
Clin Appl Thromb Hemost. 2018 Jan 1:1076029618757346.
doi: 10.1177/1076029618757346.
PMID: 29514467

論文へのリンク(外部サイト)

http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/1076029618757346?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori:rid:crossref.org&rfr_dat=cr_pub%3dpubmed
http://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1177/1076029618757346

著者コメント

敗血症性DICに対して、アンチトロンビン補充療法が実施されています。その閾値は70%とされていますが、その値に明確な根拠はないことが、ふと気になりました。じゃあ、調べてみようと、J-Septic DIC studyのデータを用いて解析した論文です。
AT活性値が43%以下の患者群で生命予後の改善効果を認めていました。しかし、もっと上の閾値でも、統計学的な有意差は伴わないものの、生命予後の改善傾向は認めていました。

論文要旨

敗血症性DIC患者に対するアンチトロンビン補充療法(15 00U/日 3日間)は予後を改善する。今回の後ろ向き観察研究では、日本全国の42のICUからICU入室時にアンチトロンビンの活性値が測定された1033名の敗血症性DIC患者を対象にして、アンチトロンビン補充療法の適切な閾値を検討した。
509名の患者がアンチトロンビンを補充されていた。院内死亡率はアンチトロンビン活性値が非常に低い患者群(AT%≦43%)で統計学的有意差を伴って改善していた(調整ハザード比 0.603, 95%CI(0.368-0.988))。アンチトンビン活性値の閾値が上昇するに伴い、院内死亡率の調整ハザード比はも上昇していた。出血性合併症は増加していなかった。

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