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業績紹介

Hayakawa M, et al. Scientific Reports. (2021) 11.2021.10.20

photo早川

Fibrinolytic system activation immediately following trauma was quickly and intensely suppressed in a rat model of severe blunt trauma
Mineji Hayakawa, Takumi Tsuchida, Yoshinori Honma, Asumi Mizugaki, Takayoshi Ooyasu, Tomonao Yoshida, Tomoyo Saito, Kenichi Katabami, Takeshi Wada & Kunihiko Maekawa
Scientific Reports. (2021) 11.

論文へのリンク(外部サイト)

https://rdcu.be/czqEy

著者コメント

我々が多く経験する交通事故などを中心とした鈍的外傷における線溶の活性化は大きな注目を集めています。しかし、線溶抑制の推移については、明確に示されていません。病態的考察と臨床医の感覚から、受傷から数時間後には抑制されることを推測していましたが、今回、動物モデルを用いて、血液中の線溶の活性化と抑制のバランス、各臓器におけるmRNAの発現バランスを経時的に評価してみました。

論文要旨

【目的】重症外傷において,線溶活性の過剰な活性化は,輸血量や死亡率の増加と関連している。しかし,鈍的外傷後の最初の数時間においては,線溶活性化,抑制,活性化-抑制バランスの変化はまだ解明されておらず,本研究ではその解明を目的とした。
【方法】麻酔をかけた9週齢のWistar S/T系雄ラットに、Noble-Collipドラムを用いて重度鈍的外傷を受傷させた。ラットは無作為に7匹ずつの4群に分けられた。外傷なしのグループは外傷を受けず、残りのグループは外傷後0、60、180分後に分析した。
【結果】外傷受傷直後、血漿中の総組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)濃度が有意に上昇し、活性型tPAと活性型プラスミノーゲン活性化因子阻害剤1(PAI-1)のバランスが線溶活性側に有意に傾いた。外傷後から、様々な臓器でtPAとPAI-1のmRNAの発現が徐々に上昇し、血漿中では活性型PAI-1と総PAI-1の濃度が指数関数的に上昇した。外傷後60分で血漿中の総tPA濃度は急速に元にもどり、外傷のないグループと同等のレベルになった。
【結論】線溶系の活性化は外傷直後にのみ認められた。外傷直後は線溶系が活性化されていたが、その活性化は迅速かつ強力に抑制されていた。

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