Saito T, et al. Clin Appl Thromb Hemost. 2020 Jan-Dec;26:1076029620933003.2020.9.25

Relationship Between Severity of Fibrinolysis Based on Rotational Thromboelastometry and Conventional Fibrinolysis Markers.
Saito T, Hayakawa M, Honma Y, Mizugaki A, Yoshida T, Katabami K, Wada T, Maekawa K.
Clin Appl Thromb Hemost. 2020 Jan-Dec;26:1076029620933003.
doi: 10.1177/1076029620933003.
PMID: 32571089
論文へのリンク(外部サイト)
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/1076029620933003
著者コメント
心停止後には虚血再還流により線溶亢進が起こることが知られており、これには血管内皮細胞から放出されるt-PAが強く関連していることが示されています。
この研究は、手術室などで凝固線溶を評価するために活用されているROTEMを使用し、心停止患者における線溶亢進の程度と、従来の検査室で測定されている線溶に関わる主要なパラメータとの関係を調べることによって、心停止患者における線溶亢進の病態を明らかにすることを目的としました。
論文要旨
病院到着時に心停止状態であった院外心停止症例35症例を対象とした。
心停止患者では、EXTEMで高度な線溶亢進を認めていたが、APTEMでは、その線溶亢進は消失していた。心停止患者で、FDP、PIC、t-PAの著明な上昇とFbg、plasmin、α2-PIの著明な低下を認めていた。PAIの上昇は認めなかった。線溶の強度を示すEXTEMのパラメータは、乳酸値や、t-PAを中心とした線溶系マーカーと相関を認めていた。EXTEMでの線溶の程度が高度であれば、t-PAは高値であり、plasminogenとα2-PIは消費性に低下していた。

