北海道大学病院 救急科 | 北海道大学 大学院医学研究科 侵襲制御医学講座 救急医学分野

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Tsuchida T, et al. Shock. Epub ahead of print. 2024 Mar 25.2024.5.14

photo土田

Effect of gender on 28-day survival rates and transfusion volume in severe trauma patients: a multicenter observational study
Tsuchida T, Mizugaki A, Tanaka S, Semba A, Nakajima T, Wada T.
Shock. 2024 Mar 25.
DOI: 10.1097/SHK.0000000000002357
PMID: 38713554

論文へのリンク(外部サイト)

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38713554/
https://journals.lww.com/shockjournal/abstract/9900/effect_of_gender_on_28_day_survival_rates_and.406.aspx

著者コメント

以前の研究テーマを日本外傷学会の多施設レジストリデータを用いて再度検証してみました。全体で女性が予後良好である結果だったにもかかわらず、50歳未満の年齢層において予後に差がなかったことから、性ホルモン以外の要因が予後に影響している可能性を示唆する結果となりました。男性は寿命が短いですし、高齢になるとストレスに弱くなるのでしょうか。全体を通して、当初の私の仮説(妊孕性のある女性のみが外傷に強い)が否定される結果となり興味深かったです。外傷患者における予後因子の検討は今後も研究課題になりそうです。
今回も自分勝手に解析を進めて和田先生に迷惑をかけつつ論文の形になりました。和田先生、毎度ご指導ありがとうございます。データ収集に協力していただいた水柿先生、田中先生、仙波先生、中嶋先生ありがとうございました。

論文要旨

ISSが16以上の重症外傷を有する18歳以上の患者1,189人が登録された。患者は、受傷時に決定された因子に基づいて男女別(各226人)にマッチングされ、解析された。閉経前後の影響を検討するため、50歳未満と50歳以上の患者についてサブグループ解析を行った。感度分析のために、調整患者集団に対してロジスティック回帰分析を行った。この分析では、28日生存率を従属変数とし、年齢、性別、外傷性脳損傷、ISS、および抗血小板薬、抗凝固薬の使用を説明変数とした。
主解析では、女性の28日生存率は男性よりも有意に高かった(p = 0.046)。年齢別のサブグループ解析では、性別が予後に与える影響はみられなかった。また、性別により輸血量、大量輸血の割合に有意な差は認められなかった。ロジスティック回帰分析では、年齢に関わらず女性の性別が予後良好因子であることが示された。ISS高値は、全ての年齢群において予後不良と関連していた。
重症外傷において、28日後の生存率は男性で有意に低かった。しかし、この傾向は50歳未満の患者では観察されなかった。この研究結果から、性ホルモン以外の要因が性別による外傷後の転帰の違いに関与している可能性が示唆された。