業績紹介

Ono Y. J Intensive Care. 2015; 3:29.

Effects of prehospital epinephrine administration on neurological outcomes in patients with out-of-hospital cardiac arrest.
Ono Y, Hayakawa M, Wada T, Sawamura A, Gando S.
J Intensive Care. 2015 Jun 24; 3:29.
doi: 10.1186/s40560-015-0094-3. eCollection 2015.
PMID: 26110059

photo小野

論文へのリンク(外部サイト)

http://www.jintensivecare.com/content/3/1/29

著者コメント

院外心肺停止患者に救命士による病院前エピネフリン投与は神経学的予後を不良にしてしまうという論文が発表されたことは非常に衝撃的でした。しかし実際現場で臨床をしている救急医にとってはかなり??と思う医師も多かったのではないでしょうか?そこで、我々は救命士がエピネフリンを投与できる時間に着目して解析をしてみました。やっぱりエピネフリンは悪く無いと思いますが…。

論文要旨

【対象・方法】2006年〜2010年の院外心肺停止の患者。年齢等で除外項目を設けた結果383811人の患者が対象となった。救急救命士が病院到着前にエピネフリンを投与した群(n=29067)と投与しなかった群(n=354744)の2群に分類し検討した。また、救急救命士がエピネフリンを投与できる時間、つまり救急救命士が心肺蘇生(CPR: cardiopulmonary resuscitation)を開始した時間から心拍再開までの時間、もしくは病院到着までの時間をCPR durationと定義し、その時間を四分位で4群にわけ、それぞれの時間でのエピネフリンの有用性を、多変量解析を用いて検討した。転帰は一カ月後の神経学的予後、一カ月後の生存率、自己心拍再開率とした。
【結果】CPR durationによって、第1群:15分未満、第2群:15分以上、20分未満、第3群:20分以上、27分未満、第4群:27分以上とした。全ての群で、エピネフリン投与は自己心拍再開率を高めた。第4群以外では1ヶ月生存率も改善させた。神経学的予後は第2群だけで改善していた。
【結語】エピネフリン投与は、全ての患者群で自己心拍再開率を高めるが、神経学的予後の改善が得られる患者は限られた患者群である。