業績紹介

Hayakawa M, Shock. 2016 45:308-14

High D-dimer levels predict A poor outcome in patients with severe trauma, even with high fibrinogen levels on arrival: A multicenter retrospective study.
Hayakawa M, Maekawa K, Kushimoto S, Kato H, Sasaki J, Ogura H, Matauoka T, Uejima T, Morimura N, Ishikura H, Hagiwara A, Takeda M, Kaneko N, Saitoh D, Kudo D, Kanemura T, Shibusawa T, Furugori S, Nakamura Y, Shiraishi A, Murata K, Mayama G, Yaguchi A, Kim S, Takasu O, Nishiyama K.
Shock. 2016 Mar;45(3):308-14.
doi: 10.1097/SHK.0000000000000542.
PMID: 26882403

photo早川

論文へのリンク(外部サイト)

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26882403
http://journals.lww.com/shockjournal/pages/articleviewer.aspx?year=2016&issue=03000&article=00010&type=abstract

著者コメント

外傷学会の将来計画委員会に参加させて頂いて、多施設共同で後ろ向きに集めたデータを解析した論文です。搬入時のフィブリノゲンとD-dimerに着目して、4群に分けると、きれいに死亡率に差が出ます。線溶亢進とフィブリノゲンの影響の大きさを認識させる結果となりました。本当は、FDPで解析したかったのですが、測定している施設が少なくて、D-dimerで解析することになってしまいました。少し、残念なポイントです。

論文要旨

【背景】外傷直後の凝固障害の一因として線溶亢進の重要性が指摘されている。D-dimerは線溶亢進の指標の一つであり、今回、D-dimerと予後との関係を検討する。
【対象と定義】J-OCTETで後ろ向きに収集したISS≧16の重症外傷796症例を対象とした。予後不良を「24時間以内の、死亡もしくはRCC10単位以上の大量輸血」と定義した。
【結果】予後良好群は632例、予後不良群は164例であった。logistic回帰分析(尤度比・変数増加法)では、Fbg低値とD-dimer高値に予後不良との間に統計学的に有意な関係を認めた。FbgとD-dimerの予後不良に対するROC曲線から、そのCutoff値は、それぞれ190mg/dLと38μg/mLなった。このCutoff値に基づき、(1)D-dimer低値&Fbg高値、(2)D-dimer低値&Fbg低値、(3)D-dimer高値&Fbg高値、(4)D-dimer高値&Fbg低値の4群に分けて比較したところ、24時間死亡率は、それぞれ、(1)1.9%、(2)3.8%、(3)9.7%、(4)25.6%であった。Kaplan-Meier法による検討では、(4)は他の3群より予後が不良であり、(3)も(1)や(2)よりも予後不良であった。
【結語】搬入時のD-dimerは予後を反映しており、Fbgが高値であっても、D-dimerが高値であれば、予後は不良である。