業績紹介

Hayakawa M. Shock. 2014 [Epub ahead of print]

Noble-Collip drum trauma induces disseminated intravascular coagulation but not acute coagulopathy of trauma-shock.
Hayakawa M, Gando S, Ono Y, Wada T, Yanagida Y, Sawamura A, Ieko M
Shock. 2014 [Epub ahead of print]

photo早川

論文へのリンク(外部サイト)

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25423126
http://journals.lww.com/shockjournal/pages/articleviewer.aspx?year=9000&issue=00000&article=98592&type=abstract

著者コメント

私の中での動物実験論文2本目です。1本目は金沢の朝倉先生にお世話になりながら仕上げた論文でした。今回は、医療大の家子先生にお世話になりながら仕上げた論文です。
ラット外傷モデルを用いて、外傷直後の凝固障害の病態を検証した実験論文です。読んで頂ければ、外傷直後にはIntravascularでDisseminatedなCoagulationの活性化が生じていることが、シンプルに理解していただけると思います。ちなみに、このような病態はIDCではなくDICであると言うことはお気づきの通りです!!
しかし、このような検討を“純粋”に自分の興味の赴くままに検討できる環境と言うのは、幸せな環境だと思います。

論文要旨

【はじめに】欧米からACoTSという概念が提唱されているが、我々は外傷直後の凝固障害は線溶亢進型のDICであると主張している。
【目的】ラット鈍的外傷モデルを用いで鈍的外傷直後の凝固/線溶障害を明示する。
【方法】ラットをControl群、外傷後0分群、外傷後30分群の3群に分けた。麻酔下に左内頚動脈を露出し、Control群はそのまま、外傷群は鈍的外傷作成後に、cannulationを行った。鈍的外傷はNoble-Collipドラムを用いて作成した。Control群と外傷後0分群はcannulation直後に、外傷後30分群は30分経過後に全採血を施行した。
【結果】外傷群では、血小板、フィブリノゲン、PT秒、プロトロンビン活性は低下/延長していた(凝固因子欠乏)。外傷群では、TF刺激下トロンビン産生の絶対量は低下していたが、凝固第II因子に対してのトロンビン産生量は増加していた。また、その値はAT活性値と負の相関を示していた(凝固制御不全)。非刺激下トロンビン産生能の評価では、外傷群では自発的なトロンビン産生を認めていた(凝固活性化因子の存在)。外傷群では、活性型t-PAおよびフィブリノゲン分解産物の増加を認めた(線溶亢進)。
【結語】外傷直後は凝固因子欠乏かつ凝固活性化因子が過剰、凝固制御不全、線溶亢進の状態である。

上(A)は、外傷ラットでの検討。外傷ラットの血液検体では刺激を加えなくても自然にトロンビン産生が生じる。つまり、血液中に何らかの凝固活性化物質が存在していると言うことである。下(B)普通は、刺激を加えないと、トロンビン産生は生じない。つまり、外傷直後には“循環血液中”に何らかの凝固活性化因子が流れていると言うことである。