業績紹介

Gando S. Semin Thromb Hemost. 2013; 39: 392-9.

Role of fibrinolysis in sepsis.
Gando S.
Semin Thromb Hemost. 2013 Jun;39(4):392-9.
doi: 10.1055/s-0033-1334140.
PMID: 23446914

photo丸藤

論文へのリンク(外部サイト)

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23446914
https://www.thieme-connect.com/DOI/DOI?10.1055/s-0033-1334140

著者コメント

敗血症に於ける線溶動態の最新知見を解説しています。線溶反応は僕らの味方でもあり敵でもあることが理解できると思います。一読をお勧めします。

論文要旨

敗血症(sepsis)は感染が原因で起こる全身性炎症反応(systemic inflammatory response syndrome, SIRS)と定義されます。炎症反応と凝固線溶反応は密接に連関して生体侵襲に立ち向かう自然免疫反応の一部を形成しています。ですから凝固線溶反応は生体侵襲に立ち向かう生体反応と捉えることが可能です。線溶反応の主体はplasminogen/plasminですが、この総説では、これらに拮抗するthrombin-activatable fibrinolysis inhibitor (TAFI), plasminogen activator inhibitor-1 (PAI-1)に焦点を当てて解説しました。
感染局所では線溶系が活性化して形成されたfibrin netsが細菌を局所に封じ込めて好中球・マクロファージの格好の標的にすべく機能しています。しかし、細菌も負けてはおらず例えばstaphylokinase, streptokinaseなどの線溶因子でfibrinを溶解して全身へ播種しようと目論んでいます。この細菌の働きを封じ込めるのがTAFIやPAI-1であり、線溶阻害によりfibrin netsを強固に維持しているのです。感染局所では善玉のTAFIやPAI-1ですが、全身性に発現した場合は悪玉として働きdisseminated intravascular coagulation (DIC)となり臓器不全発症の主因として生体の予後を規定します。
生体侵襲(sepsis)と生体反応(線溶)を考える時は、常に局所と全身を意識し、生理的反応なのか病的反応なのかを理解する必要があります。詳細は実際に総説を読んでみて下さい。